2017〜2026年の基幹理工・創造理工・先進理工(試験時間120分/記述式5題)について、各問題の出題分野を100pt満点で按分集計し、早稲田理工数学の出題傾向を可視化した。森本塾が全50問を実際に解いた上で分野を判定している。
早稲田理工の数学は「微積」が圧倒的な最大勢力で、微分・積分だけで全体の約31%を占める。面積・体積(回転体)・関数の増減・極限評価が定番で、毎年複数問が出題される 最重要分野 である。とりわけ 回転体の体積 は早稲田理工の代名詞で、ほぼ毎年のように顔を出す。
続く第2グループは 「空間図形・ベクトル」が17%で単独2位。四面体・正多面体・球の論証が伝統的に重視され、難関大の中でも突出した出題頻度を誇る。さらに 「整数」「複素数平面」 が11〜13%で並ぶ。
「場合の数・確率」 はあわせて15%。漸化式・帰納法とからめた重い論証が特徴で、ポリアの壺(2023)や攪乱順列(2025)など、有名な確率モデルがそのまま出題されることもある。
※ 配点は1問100pt換算(10年×5題=5000pt満点)。融合問題は内容に応じて按分(0.5刻み)。例:定積分の極限と区分求積は数列と微積で按分、放物線の面積と格子点は図形と方程式と場合の数で按分、楕円接線と高次方程式の整数論証は二次曲線と整数で按分、加法定理の最大最小は三角関数と微積で按分。回転体・通過領域の体積は「微分・積分」に計上した。点ではなくpt表記としているのは入試本番の配点と区別するため。
| 分野 | 割合 | 合計 | 2026 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 |
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※ 色凡例:25%以上 20〜25% 15〜20% 10〜15% 5〜10% 数値は配点(1問=100pt換算)。
| 出題形式 | 大問5題・120分(24分/題)。全問記述式で、設問(1)(2)(3)…と段階的に誘導が付くことが多い。誘導が丁寧な年度もあれば、自力で方針を立てる構想力を要する年度もある。(1)が後の小問の足場になる多段構成が中心で、序盤の取りこぼしが命取りになる。 |
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| 難易度 | 標準〜難。完答しやすい大問と、最後の小問が極端に重い大問が混在する。3完+部分点で合格圏。解ける問題と捨てる問題を見抜く 選球眼 と、煩雑な計算を完走する 計算力 が合否を分ける。 |
| 微分・積分 31.0% |
早稲田理工の圧倒的最大勢力。回転体・通過領域の体積、面積、定積分の極限評価、関数の増減・凹凸があらゆる形で出題される。 2026の対数を底にした回転体の体積(バウムクーヘン型)、2024の媒介変数表示の曲線をy軸回転させる体積、2022の指数関数で囲まれた部分のx軸回転体積、2020の絶対値付き指数関数の領域の回転体、2019のカージオイドの曲線の長さ、2018の e^(-πx)sinπx の回転体と無限等比級数など。煩雑な積分を完走できる計算力が直結する。 |
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空間図形・ ベクトル 17.0% |
早稲田名物の単独2位。四面体・正多面体・球・内接球の論証が頻出舞台。 2026の空間内の四角形APBQの成立条件と面積、2025の三角形と平面の交点・球面と外接、2024の四面体の中点を結ぶ図形と球、2023の空間三角形をx軸回転させる体積(ドーナツ型断面)、2021の正四面体と外接球が交わる弧、2019の四面体の外接球、2017の四面体の内接球など。図を描いて立体を正確に把握する力が必須。 |
| 整数 13.0% |
早稲田の伝統的主力。素数・平方数の論証、約数・倍数、剰余、不定方程式、整式の除法が中心。 2026の√を含む不定方程式の自然数解、2023の (3x+2)^n を x²+x+1 で割った余りの漸化式と互いに素の証明、2022の2次式が整数解をもつ条件と素数、2021の整式の除法と倍数論証、2019の n²+1, 2n²+3, 6n²+5 がすべて素数となる条件、2018の³√p が無理数となることの論証。「シンプルな設定で重い論証」を要求するスタイル。 |
| 複素数平面 11.0% |
軌跡・領域の図示、極形式、反転が頻出。 2025の楕円(円の√2倍拡大)と円の共有点・面積、2023の w=3/z の反転で線分が円弧に対応する範囲、2021の z² の軌跡(放物線)、2020の正三角形をなす複素数と極形式、2018の三角形と外接円、2017の 1/z の反転による領域の図示。実部・偏角の条件処理と反転の扱いを確実に。 |
| 場合の数・確率 15.0% |
漸化式・帰納法・無限級数との融合が3本柱。場合の数は漸化式を立てて数える問題が中心。 2025の元と異なる位置に並べ替える順列(攪乱順列)の総数と漸化式、2024の2チームの試合で連敗しない確率の漸化式・1,2,4で作る n桁の自然数の3で割った余りの個数の漸化式、2023の壺に玉を追加する操作(ポリアの壺)と漸化式。 |
| 数列 5.0% | 2026の a(2n), a(2n+1) で定まる数列の進数変換と総和、2022の3つの数列の漸化式・帰納法・極限、2019の正n角形の周の長さの極限と区分求積。整数・微積・確率との融合が多く、単独出題は少ない。 |
| 図形と方程式 2.0% | 2026の指数関数の値域問題で領域と直線の交点を調べる線形計画法、2018の2直線と放物線で囲まれる領域の面積など。条件を不等式に翻訳し領域として捉える力が問われる。単独出題は少ない。 |
| 三角関数 2.0% | 2024の円と直線の接する条件で30°・60°が現れる最大最小、2021の直線の傾きを tan で表し加法定理で角を処理する最大最小。図形や微積の道具として使われることが多い。 |
| 二次曲線 2.0% | 2025の楕円(複素数平面との融合)、および 2025⑤の y=³√(x²+2) を題材にした楕円曲線上の有理点の論証。新課程化で今後の増加に注意。 |
| 高次方程式 2.0% | 2017の3次方程式 f(x)=0 の解と g(α)=-1/(α+1) の対応、解と係数の関係、cosの三倍角を用いて解が「グルグル回る」論証。整数や三角関数とからむ重い論証として出題される。 |
STEP0〜6月|スタートラインに立つ
標準厳選系問題集を完成させる。早稲田理工は「回転体の体積・空間ベクトル・整数論証」という重い分野が柱になるため、基礎が抜けたまま夏に入ると典型解法の習得に倍の時間がかかる。6月までに標準厳選系を必ず仕上げる。すでにこのレベルが完璧な人は、そのままSTEP1へ進んでよい。
STEP17月〜8月|微積・空間・整数を集中攻略
『理系数学厳選150題』(KADOKAWA) の A・B問題 を2〜3周。早稲田は「微積31%・空間17%・整数13%」の3本柱で全体の60%を占める。この3分野をパターンとして高速に引き出せる状態まで仕上げるのが夏の最優先課題。回転体の計算ミス対策を並行で。
STEP28月末〜9月|出題傾向をつかむ
東京出版『大学への数学 入試の軌跡 東京科学大(理工学系)・早大(理工系)・慶大(理工)』(2026年受験用)で、早稲田理工(過去5年分)の解答と傾向分析を通読する。過去問演習に入る前に、完答しやすい大問と最後の小問が極端に重い大問が混在するという早稲田特有のクセと、洗練された解答のプロセスを頭に入れておくSTEP。
STEP39月〜10月|早稲田過去問で実践
早稲田理工の過去問(赤本や『入試の軌跡』)を A・Bレベル で1〜2周。完答しやすい大問と最後の小問が極端に重い大問が混在するため、開始直後に解ける問題を見極める選球眼を養う。解けなかった単元は厳選150題のA・Bに戻って復習。あわせて代々木ゼミナール『早大入試プレ問題集 数学(基幹・創造・先進理工 教育〈理〉)』(2026年受験用、代々木ライブラリー)収録の本番形式のプレ問題(6回分)で、120分の時間配分と選球眼を実戦形式で磨く。
STEP411月〜12月|C問題で上積み
『厳選150題』の C問題 に着手。早稲田の場合の数・確率は「ポリアの壺・攪乱順列」など有名モデルが直接出題されることがあり、論証の筋道を自力で立てる記述力が要求される。過去問の重い論証問題を中心に答案の完成度を上げる練習を積む。
STEP51月〜直前期|仕上げ
共通テスト明けから、早稲田過去問の 3〜4周目 を徹底演習。「3完+部分点で合格圏」が目安。煩雑な積分を120分で完走できる計算スピードの最終調整と、苦手単元の確認に充てる。
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過去問分析を踏まえた個別カリキュラムで、合格までの最短ルートを設計します。