2017〜2026年の前期日程(試験時間150分/記述式6題)について、各問題の出題分野を100pt満点で按分集計し、東大数学の出題傾向を可視化した。
東大の理系数学は「微積」が最大勢力で、微分・積分だけで全体の約20%を占める。面積・体積・極限評価・関数の増減が定番で、毎年複数問が出題される 最重要分野 である。
僅差で続くのが 「図形と方程式」16.7%。軌跡・領域の図示問題 が東大では毎年のように出題されており、見落とされがちだが実は微積に次ぐ頻出分野である。さらに「空間図形・ベクトル」15.0%が続き、この3分野だけで全体の半分を占める。
「整数」10.8%・「場合の数・確率」10.0%・「複素数平面」9.2%はそれに続く第3グループ。とりわけ東大は 「整数」と「空間図形」の論証 を伝統的に重視し、難関大の中でも突出した出題頻度を誇る。
※ 配点は1問100pt換算(10年×6題=6000pt満点)。融合問題は内容に応じて按分。例えば整数と数列の融合問題は両分野に50ptずつ、複素数と式と証明の融合部分も同様に按分して計上。回転体や線分の通過領域の体積はすべて「微分・積分」または立体の主題に応じて計上した。点ではなくpt表記としているのは入試本番の配点と区別するため。
| 分野 | 割合 | 合計 | 2026 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 |
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※ 色凡例:25%以上 20〜25% 15〜20% 10〜15% 5〜10% 数値は配点(1問=100pt換算)。
| 出題形式 | 大問6題・150分(25分/題)。誘導が少なく、方針を自力で立てる構想力が問われる。設問(1)が(2)(3)の足場になる多段構成が多い。 |
|---|---|
| 難易度 | 標準〜難。年度による難易差が大きく、完答できる問題と手も足も出ない問題が混在する。3完+部分点で合格圏。解ける問題を見抜く 選球眼 が合否を分ける。 |
| 微分・積分 20.8% |
東大の最大勢力。面積・体積・極限評価・関数の増減があらゆる形で出題される。 2025の曲線の長さを求める融合問題、2024の絶対値付き定積分、2023のsin(x²)の評価と極限、2022は最小値問題と回転体の2問、2021の接線と定積分計算、2020の軌跡の最大値、2019の無理関数の定積分など。計算力と評価のテクニックが直結する。 |
|---|---|
| 図形と方程式 16.7% |
見落とされがちだが実は微積に次ぐ頻出分野。 2024の点Pの動きうる範囲の図示(2問)、2023の放物線と接線条件の領域、2022の「十分離れた点」の領域、2021の放物線の通過範囲、2020の面積条件の領域、2018の軌跡図示(2問)など、軌跡・領域の図示問題が繰り返し出る。 |
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空間図形・ ベクトル 15.0% |
東大名物の難分野。立体の切断、線分の通過範囲、回転体の体積が頻出舞台。 2026の通過領域(2021年以来)、2024の三角形の回転体、2023の球面と立方体の切断(2問)、2022の円錐上の通過範囲、2020の円錐と線分の通過体積、2019の八面体の切断、2018の球の通過範囲など。図を描いて立体を正確に把握する力が必須。 |
| 整数 10.8% |
東大の伝統的主力だが、実は突出した最頻出分野ではない。 2026の約数と符号関数の和、2025の平方数と素数の論証、2024の素数となる整数の個数、2021の二項係数のmod4、2019の最大公約数と2乗にならない証明、2017の自然数性の証明など。「シンプルな設定で重い論証」を要求するスタイル。 |
| 場合の数・確率 10.0% |
漸化式・対称性・極限が3本柱。 2026の場合の数、2025の札の並べ方、2024の対称移動する点の確率、2023の玉の並びの条件付き確率、2022のベクトルとコイン投げの確率、2017の格子点上のランダムウォークなど。場合分けと対称性の活用が鍵。 |
| 複素数平面 9.2% |
軌跡の図示、方程式の解、図形の対応が頻出。 2026・2025と2年連続出題、2021の2次方程式と図示、2019の4次方程式の解、2018の円の接線と軌跡、2017の軌跡など。実部・偏角の条件処理を確実に。 |
| 数列 5.8% | 2022の漸化式と倍数、2020の整式の係数列、2019の数列の極限、2018の階乗と既約分数など。整数や確率との融合が多い。 |
| 三角関数 5.0% | 2025の平行四辺形と長方形の面積、2020の三角方程式の解の個数、2017のf(θ)=cos3θ+acos2θ+bcosθなど。図形や微積との融合で道具として使われることが多い(2021の距離APの2乗の関数は微積分と按分)。 |
| 式と証明 5.8% | 2023の整式の余り、2021の恒等式と因数分解(2問)、2020の不等式論証など。他分野の論証の道具として登場することが多い。 |
| 二次曲線 0.8% | 2020の楕円の接線と直交条件のみ。単独の出題は極めて少ないが、新課程で今後の増加に注意。 |
STEP1〜7月|厳選150題をC問題まで完成させる
『理系数学厳選150題』(KADOKAWA) を A・B・C問題すべて 仕上げる。他大学なら夏以降に回すCレベルを、東大は7月までに終えるのが前提。答えを出すだけでなく、論証の筋道を紙に書く習慣をこの時期に徹底する。
STEP28月〜9月|東大過去問 A・Bレベルで実践
東大過去問に早期着手し、 A・Bレベル を集中的に回す。完答できる問題と手が出ない問題が混在する東大では、開始5分で解ける問題を見極める選球眼が合否を直接左右する。解けなかった単元は厳選150題に戻って補強。過去問は出版社によって解説のスタイルが異なるため、鉄緑会など複数の版を活用するのもあり。
STEP310月〜12月|東大過去問Cレベル+上位問題集
過去問の Cレベル に着手しつつ、厳選150題を超える上位問題集を並行で進める。東大の整数・空間図形・確率は「設定はシンプルだが論証が重い」問題が多く、部分点を確実に拾う記述力が必要。
STEP41月〜直前期|25年分を使い尽くす
東大は約25年分の過去問が入手できる。他大学と違い、古い年度まで全問やりきることが東大対策の最大の武器になる。共通テスト明けは古い年度の演習に充て、「3完+部分点で合格圏」を安定させる。
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