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NAGOYA UNIVERSITY — SCIENCE

名古屋大学(理系)数学
10ヵ年 分野別分析

2017〜2026年の前期日程(試験時間150分/記述式4題)について、各問題の出題分野を100pt満点で按分集計し、名大数学の出題傾向を可視化した。全問を実際に解いた上で分野を判定している。

名大理系数学10ヵ年分析 動画解説

まとめ

名大数学は「微積・確率・整数」の3本柱で、この3分野だけで全体の約63%を占める。とくに微分・積分は直近10年で 31.5%と他を圧倒し、4題中1〜2題は必ず微積系という構成が定着している。

次いで「確率」が 17.0%と看板分野で、大問4はほぼ毎年「確率(と漸化式の融合)」が指定席。直近10年で4題目に確率系が出なかった年は2023年のみ。状態推移を漸化式に落とす型が頻出。

続く「整数」が 14.2%と高い比率を占める。最大公約数・素因数分解・剰余類による論証など、シンプルな設定で本質的な論証力を問う出題が中心。

名大は試験中に数学公式集が配付されるが、これは裏を返せば「公式を覚えているだけでは太刀打ちできない、発想力・論証力を見たい」という意思の表れ。小問の誘導も年々あっさりしており、自力で次の一手を見つける力が問われる。

※ 配点は1問100pt換算(10年×4題=4000pt満点)。融合問題は内容に応じて按分。例えば確率漸化式は確率40/数列60で計上。点ではなくpt表記としているのは入試本番の配点(学部により異なる)と区別するため。

分野別 出題傾向表

分野 割合 合計 20262025202420232022 20212020201920182017

※ 色凡例:25%以上 20〜25% 15〜20% 10〜15% 5〜10% 数値は配点(1問=100pt換算)。

特徴と対策

出題形式 大問4題・150分(37.5分/題)。小問(1)→(2)→(3)→(4)の構成だが、2022年以降は「小問間の落差が大きく、誘導としての役割が弱い」傾向。(1)が標準的でも(2)以降は別視点が必要になり、受験生の「考察力」を見ようとする設計。試験中に数学公式集が配付される。
難易度 標準〜やや難。ただし2011-2021年は難易度が異常に高く、完答困難なセットが続いた時期2022年の新課程移行で難度が低下し、数C(複素数平面・式と曲線)の導入により微積一辺倒から分野が分散した。現在は2完1半で合格圏、3完で上位。一方、大問4の確率漸化式・論証問題はセット最難問になりやすい。
出題意図 名大HP発表の「出題の意図」から読み取れる3つの評価軸:
基本の理解 — 小問(1)で教科書の定義・用語の理解を問う
考察力 — 小問(2)以降で、先行小問をそのまま使えない設計。各小問の繋がりを自力で発見させる
論証力 — 特に大問4で、自分で筋道を立てて論理を積み上げる力を要求。誘導を最小化する傾向。

分野別ポイント

微分・積分 31.5% 10年で圧倒的最大シェア。面積・回転体の体積、定積分と不等式評価、増減と最大最小、接線がほぼ毎年。
2023の2円の回転体の体積、2019・2018の定積分漸化式と極限、2025の凸関数の極限、2021の共通接線と面積、2026の双曲線と面積の最小値など、数Ⅲの計算力を真正面から問う設定が多い。置換積分・部分積分・極限の評価を確実に。
確率 17.0% 名大の看板分野大問4は確率(漸化式融合)の指定席で、10年中9年で4題目に確率系が登場(例外は2023)。
2017の立方体の頂点移動、2020のサイコロ駒移動、2021の数字を丸で囲むゲーム、2024のn回試行と定積分、2026のxy平面上の領域内移動など、「状態推移を漸化式に落とす」型が定着。誘導が比較的手厚いので最後まで完走したい。
整数 14.2% 最大公約数・互いに素、素因数分解、剰余類、合同式の論証が定番。
2025「a²−b²=c の整数解」、2022「ab+2c と 2abc が互いに素」、2020「2, m²+1, m⁴+1 が素数」、2018「(a+b)ᵖ−aᵖ−bᵖ が p で割り切れる」、2026「abc=N! をみたす組の個数」など、シンプルな設定で深い論証を要求するスタイルが名大の伝統。
空間ベクトル 10.0% 平面の方程式、直線・線分との共有点条件、垂線の足、内積計算が頻出。
2026「平面Hと線分DEの共有点条件」、2024「平面に下ろした垂線の足と距離最小」、2019「平面に下ろした垂線と内積」、2017「直線と球面の共有点」が代表例。平面ベクトルの単独出題は10年で無し、ベクトル対策は空間に絞ってよい。
複素数平面 9.0% 高次方程式の解の配置、極形式、正多角形の頂点が定番。
2024「P(z)=0 と Q(z)=0 の共通解」、2023「4次方程式の解が単位円上」、2022「正六角形の頂点となる複素数」、2017「複素数の集合Mの決定」が代表例。ド・モアブル+解と係数の関係を確実に。
数列 8.0% 確率漸化式・整数・極限との融合がメイン。単独に近いのは2023の整式の展開と二項係数、2021のGauss記号付き漸化式など。
漸化式を立てて解く力はあらゆる分野で必須。特性方程式・等比型・階差型を瞬時に使えるように。
指数・対数 3.5% 単独より大小比較・グラフの共有点で出る。2021「log₂3, log₃5, log₅2, 3/2 の大小と3次関数の符号」、2018「y=aˣ と y=log_a x の共有点の個数」など。指数・対数関数の増減と凹凸の把握が鍵。
式と曲線 2.5% 数Cの曲線(双曲線・楕円)。2020「双曲線 x²−y²=1 と直線の交点・面積」が代表例。新課程移行後は出題枠が確保されており、今後の頻度増に注意。
方程式・
式と証明
2.5%
整式の除法、解と係数の関係。2022「整式 x³ を2次式で割った余り」が単独大問として出題された珍しい例。多くは他分野の道具として登場。
集合・論理 1.0% 2017の「複素数の集合Mの条件」で複素数と融合。単独出題は稀。
三角関数 0.8% 単独出題は10年でほぼ無し。2026の角度θ設定(微積との融合)など、図形・微積の道具として使われるのが基本。加法定理・倍角・正弦定理・余弦定理は瞬時に出せるように。
平面ベクトル 0% 10年で出題ゼロ。名大のベクトルは全て空間と割り切ってよい。

7月以降の合格ロードマップ

STEP0〜6月|スタートラインに立つ

基礎厳選系問題集を完成させる。ここを終えていることが受験勉強の出発点。基礎が抜けたまま夏に入っても、典型問題の習得に倍の時間がかかる。6月までに基礎厳選系を必ず仕上げる。

STEP17月〜8月|微積・確率・整数を集中攻略

『理系数学厳選150題』(KADOKAWA) の A・B問題 を2〜3周。名大は「微積31.5%・確率17.0%・整数14.2%」の3本柱で全体の約63%を占める。この3分野をパターンとして高速に引き出せる状態まで仕上げるのが夏の最優先課題。計算ミス対策(特に数Ⅲ微積)を並行で。

STEP29月〜10月|名大過去問で実践

名大の過去問を A・B問題レベル で1〜2周。「小問間の落差が大きく誘導としての役割が弱い」という名大独特の設計に慣れ、各小問を自力でつなぐ考察力を養う。解けなかった単元は厳選150題のA・Bに戻って復習。

STEP311月〜12月|論証力を磨く

『厳選150題』の C問題 に着手。名大は「論証力」を評価軸に明示しており、特に大問4(確率・整数)で自力で筋道を立てる記述が要求される。過去問の大問4を中心に、答案の論理展開を丁寧に仕上げる練習を積む。Dレベルは不要(名大は発想・論証で勝負する大学)。

STEP41月〜直前期|仕上げ

共通テスト明けから、名大過去問の 3〜4周目 を徹底演習。「2完1半で合格圏、3完で上位」が目安。試験中に配付される数学公式集の使い方にも慣れておく。苦手単元の最終確認と、150分の時間配分の最適化に充てる。

名大対策、何から始める?

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