2017〜2026年の前期日程(試験時間150分/記述式5題)について、各問題の出題分野を100pt満点で按分集計し、九大数学の出題傾向を可視化した。森本塾が全50問を実際に解いた上で分野を判定している。
九大の理系数学は「微積」が圧倒的な最大勢力で、微分・積分だけで全体の約29%を占める。面積・回転体の体積・定積分と不等式・関数の増減が定番で、毎年複数問が出題される 最重要分野 である。数Ⅲの出題比率が高いのが九大の大きな特徴だ。
続く第2グループは 「空間図形・ベクトル」「整数」 がともに13〜15%で並ぶが、頻度で見ると 複素数平面 だけが別格である。配点は17%とグループ内の1つに過ぎないが、10年中8回という登場率は全国の難関大でも突出しており、事実上の必出分野 と言っていい。
複素数平面 は軌跡の図示、複素数の図形への応用(正三角形・直角三角形の条件、回転)が定番。空間図形・ベクトル も四面体・球・空間内の直線や平面を扱う問題が周期的に出る。「整数」も除法・剰余による分類、不定方程式、約数・倍数の論証が頻出で、難度の高い《やや難》《難》ラベルが付くことが多い。
※ 配点は1問100pt換算(10年×5題=5000pt満点)。融合問題は内容に応じて按分(0.5刻み)。例:確率漸化式は確率と数列で按分、複素数平面と回転体の体積の融合は複素数平面と微積で按分、無理数の最小多項式論証は整数と式と証明で按分、整式の除法と導関数は式と証明と微積で按分。複素数を用いた図形・面積問題は複素数平面と微積で按分した。
| 分野 | 割合 | 合計 | 2026 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 |
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※ 色凡例:25%以上 20〜25% 15〜20% 10〜15% 5〜10% 数値は配点(1問=100pt換算)。
| 出題形式 | 大問5題・150分(30分/題)。誘導の丁寧な問題と、自力で方針を立てる問題が混在する。設問(1)が(2)(3)の足場になる多段構成が多く、(1)を確実に取ることが合格答案の前提になる。 |
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| 難易度 | 標準〜やや難。旺文社の解答でも《やや難》《難》のラベルが付く重い論証問題が毎年1〜2題混じる。3完+部分点で合格圏。標準問題を確実に完答し、難問で部分点を拾う 取捨選択 が合否を分ける。 |
| 微分・積分 29.0% |
九大の最大勢力で、数Ⅲ微積が中心。面積・回転体の体積・定積分と不等式・関数の増減があらゆる形で出題される。 2026の媒介変数曲線の回転体の体積と平均値の定理による極限、2024の定積分 I(m,n) の漸化式とはさみうちによる極限、2023の関数方程式から導かれる f(x)=e^{ax}cos bx の論証と面積、2022の平均値の定理と定積分の不等式評価、2020の e^{-x}-e^{-2x} の接線が存在する条件など。評価のテクニックと完走できる計算力が直結する。 |
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| 複素数平面 17.0% |
九大の事実上の必出分野で、10年で8回登場。軌跡の図示、図形への応用(正三角形・直角三角形の条件、回転)が定番。 2026の線分上を動く z に対する z²−wz+1=0 の解 w の軌跡、2024の f(z)=z⁶+z⁴+z²+1 の解と |z|=1 の論証、2023の (α−β)⁴+(β−γ)⁴+(γ−α)⁴=0 から三角形が正三角形になる証明、2021の 2次方程式の虚数解と円・直角三角形、2019の一次分数変換による単位円の像、2017の点 z_n=αw^n の絶対値・偏角と三角形の内部条件。実部・偏角の条件処理を確実に。 |
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空間図形・ ベクトル 15.0% |
四面体・球・空間内の直線や平面が頻出舞台。 2026の半径3の球面と直線OPに直交する2平面の交線がなす円柱の断面、2025の3点を通る平面に垂直な直線と xy 平面の交点、2022の空間の5点と対称点・距離の最小化、2021の四面体に内接する球と球が平面と交わる円の面積、2020の四面体の各辺中点を結ぶ直線の直交条件と外接球の半径、2018の双曲線とz軸上の点を結ぶ直線の軌跡。図を描いて立体を正確に把握する力が必須。 |
| 整数 13.0% |
除法・剰余による分類、不定方程式、約数・倍数の論証が中心。やや難〜難 レベルの問題が多い。 2026の √2+√3 を解にもつ有理数係数の最小方程式(無理数性の論証)、2025の n² を8で割った余りと 2^m=n²+3 の整数解、2024の a!+b!=2·c! を満たす自然数の組、2022の n⁴=1+210m² の整数解と168の倍数性、2018の f(x)=2x³+a²x²+2b²x+1 が有理数解をもたない論証。「シンプルな設定で重い論証」を要求するスタイル。 |
| 場合の数・確率 13.0% |
漸化式・対称性が2本柱。場合の数は格子点・配置を丁寧に数え上げる力が問われる。 2026の硬貨を投げて白玉黒玉を並べ n+2 番目までが黒となる確率の漸化式、2025の f(x)=(x²−ax+b)(x−c) の実数解・自然数解の個数とサイコロの確率、2024の格子点のうち3点以上を通る直線の本数 L(n)、2020の4個のサイコロの積が25・4・100の倍数になる確率、2018の積を4で割った余りの確率と漸化式、2017の円卓で玉を取り出すゲームの勝者の確率と漸化式。場合分けと対称性の活用が鍵。 |
| 数列 5.0% | 2023の a_{n+1}=|a_n−1|+a_n−1 の収束・発散の場合分け、2019の正三角形の内分点を繰り返してできる点列の極限、2017の等差数列の倍数を数える問題。確率・図形・整数との融合が多く、単独出題は少ない。 |
| 式と証明 4.0% | 2026の有理数係数方程式が存在しないことの背理法、2022の x^n を (x−α)(x−β)² で割った商と余りの論証、2019の2つの整式の恒等式から次数を決定する問題など。他分野(整数・微積)の論証の道具として登場することが多い。 |
| 平面ベクトル 2.0% | 2023の2つのベクトルの一次結合で任意のベクトルを表す条件(行列式 D≠0)と、整数係数で表せる D の値の決定。線形代数的な発想を平面ベクトルで問う良問。 |
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図形と計量・ 平面図形 2.0% |
2025の円に内接する四角形と正弦定理・余弦定理を用いた角度・辺・三角形の面積。新課程の数A平面図形・図形と計量の融合で、今後の出題増加に注意。 |
STEP0〜6月|スタートラインに立つ
『文系の数学 実戦力向上編』(河合出版・堀尾豊孝著) など入試標準厳選系の問題集を完成させる。ここを終えていることが受験勉強の出発点。基礎が抜けたまま夏に入っても、典型問題の習得に倍の時間がかかる。6月までに入試標準厳選系を必ず仕上げる。すでにこのレベルが完璧な人は、そのままSTEP1へ進んでよい。
STEP17月〜8月|レベルの高い典型問題の習得
『理系数学厳選150題』(KADOKAWA) の A・B問題 を 2〜3周。基礎厳選系より一段上の典型問題を、パターンとして高速に引き出せる状態まで仕上げる。九大は、微分・積分はもちろんのこと、複素数平面・整数の論証比重が高いため、この2分野は特に手を止めずに解ける状態を目指す。計算ミス対策(特に微積)を並行で。
STEP28月末〜9月|出題傾向をつかむ
『世界一わかりやすい 九大の数学』(KADOKAWA) で、理系・文系15か年分の出題傾向と問題の背景・意図を通して読む。過去問演習に入る前に、九大数学の「クセ」を頭に入れておくSTEP。
STEP39月〜10月|九大過去問で実践
『九大の理系数学15カ年』(教学社) と『九州大学 理系数学25か年』(電送数学舎) の A・B問題 を1〜2周。2冊は解説の視点が異なるため、片方をケチらずセカンドオピニオン的に併用する。150分・5題の時間配分(30分/題)を体に覚えさせる。解けなかった単元は厳選150題のA・Bに戻って復習。
STEP411月〜12月|C問題と取捨選択力の強化
『厳選150題』の C問題 に着手。並行して『九大15カ年』『25か年』の C問題 も進める。九大は《やや難》《難》の重い論証(整数・複素数平面)が毎年1〜2題混じるため、「完答を狙う問題」と「部分点狙いに切り替える問題」を見極める 取捨選択 の練習をここで積む。
STEP51月〜直前期|仕上げ
共通テスト明けから、『2026入試攻略問題集 九州大学数学』(河合出版) 収録のオープン模試4回で本番形式の実戦演習を行う。並行して九大過去問の 3〜4周目 を徹底演習し、3完+部分点で合格圏という得点戦略を体感として身につけ、本番でどの問題を捨てるかの判断速度を上げる。苦手単元の最終確認と、計算スピードの調整に充てる。
公式LINE(ID:@mmjuku)にて入塾のご相談を承っています。
過去問分析を踏まえた個別カリキュラムで、合格までの最短ルートを設計します。