2017〜2026年の10年分の平均点データをもとに、共通テスト数学(数学Ⅰ・A/数学Ⅱ・B・C)の特徴と対策を解説する。出題範囲が固定され全員共通の条件で戦う共通テストは、大学ごとに傾向が分かれる二次試験とは 対策の考え方そのものが異なる。
共通テスト数学(2021〜2026年度)を俯瞰すると、まず見えてくるのは「平均点が高い年ほど差がつき、低い年ほど差がつかない」という関係だ。平均点が高い年は上位層と中間層の得点差が大きく開く一方、平均点が低い年はほぼ全員が失点するため差がつきにくい。2024年度だけこの関係が逆転しているが、これは新課程移行前の特殊要因によるもので、唯一の例外と捉えてよい。
2026年度は新課程2年目で、数学Ⅰ・Aの平均点が47.2点まで下がった一方、数学Ⅱ・B・Cは54.5点とやや持ち直した。共通テスト数学は 計算量よりも思考力 で高得点かどうかが決まる試験へと変化しており、直前期の付け焼き刃な対策では通用しない。
受験生には「共テ対策で疲弊した」という声も多いが、実際にはムダな対策で消耗しているケースがほとんどだ。70分という時間配分に慣れてしまえば対応は十分に可能であり、共通テスト独自の 癖 に振り回されすぎないことが大切になる。
※ 数値は大学入試センター発表の平均点(100点満点)。2025年度は旧課程「数学Ⅱ・B」を含む最終年度、2026年度は新課程「数学Ⅱ・B・C」初年度。
| 科目 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025(旧過程) | 2026 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 数学Ⅰ・A | 61 | 62 | 60 | 52 | 58 | 38 | 56 | 51 | 54(60) | 47 |
| 数学Ⅱ・B・C | 52 | 51 | 53 | 49 | 60 | 43 | 61 | 58 | 52(60) | 55 |
※ 平均点は小数点以下を四捨五入。2017〜2020年度はセンター試験、2021〜2026年度は共通テストの平均点。2025年度から新課程(数学Ⅱ・Bから数学Ⅱ・B・Cへ移行)。2022年度は異例の低平均、2024年度は唯一「平均点が低いのに差がついた」例外年。
平均点は年によって高低が入れ替わりやすく、2026年度が47点・55点とやや低めだったことを踏まえると、2027年度は反動で 高平均点の年 になる可能性が高い。平均点が高い年は上位層と中間層の差が開きやすいため、難問を無理に取りにいく必要はなく、解ける問題を確実に得点する ことが得点最大化につながる。
数学Ⅱ・B・Cは 微積分・数列・ベクトル など、典型処理の習熟が得点に反映されやすい分野が多い。未完成の分野が残っている受験生にとっては、得点を上積みできる余地が大きい科目 だと言える。限られた勉強時間は数学Ⅱ・B・Cに多めに配分する方が合計点の上積みにつながる。
| 共テ数学が 得意な人 |
まずは 二次試験の学力アップ を優先。過去問・予想問題集は11月から週1年分ペースで着手する。それ以前は、共テ模試の2週間前は、過去問・予想問題集で形式に慣れておく。 |
|---|---|
| 共テ数学が苦手な人 | 共通テスト基礎固め用の問題集から始め、9月から週1年分ペースで過去問・予想問題集に着手。 |
| 共通の原則 | 過去問と予想問題集は 両方使う。夏は「形式に慣れる」ことが目的、冬は「やり込む」段階に切り替える。平均点がジグザグするので、2年分、4年分と偶数年分を解く。実力がつく前に過去問に取り組むと、実力がつきにくいので注意。基礎力をつけてから過去問・予想問題集に取り組むこと。 |
| 分野別学習 | 漫然と「過去ものを1年分解く」などを繰り返してもコツは掴めない。 通常学習と同じように分野別に対策する方が、コツがつかみやすく有効である。 また、国公立二次・私大試験と違って、各分野がほぼ必ず出る。 分野ごとに集中的に特訓をしても外すことがほぼない。 夏・秋・冬と2分野ずつ攻略していくとよい。 時間配分などは直前期からしっかりと取り組むとよい。 |
|---|---|
| 合計点で勝負 | 数学Ⅰ・Aと数学Ⅱ・B・Cは合計点で捉える。一方が苦手でも、もう一方でカバーする設計を意識する。 |
| ⅡBCは伸びる | 数学Ⅱ・B・Cは得点が伸びやすい科目。ここでの上積みが合計点を底上げする。 |
| 別解を大切にする | 二次試験の学習の中で 別解の引き出し を増やしておくことが、共テ本番のスピードに直結する。 |
| コツ・技 | マーク式ならではの逆算・選択肢の活用など、二次試験にはない技術も別途鍛える必要がある。 |
共通テストで求められる 一般化・振り返り・深化 のプロセスは、以下の3ステップで鍛えられる。
| STEP1 | 具体的な事象で確認する。センター試験の問題を実際に解き、処理の流れを具体的に体験する。 |
|---|---|
| STEP2 | 手法を一般化・俯瞰する。解いた問題の解法を「パターン」として認知し、他の問題にも通じる形に一般化する。 |
| STEP3 | 新たな事象・条件へ適用する。一般化した手法を、二次試験の初見問題や別条件の問題に応用する。 |
| 問題設定 | センター試験:紙面上の数学 / 共通テスト:実社会・日常の事象 |
|---|---|
| 要求される力 | センター試験:パターン認識力 / 共通テスト:情報の取捨選択・構造化・複合的推論 |
| 学習法 | センター試験:パターン反復 / 共通テスト:「なぜ?」で深める |
STEP1〜8月|基礎固め
得意な人は 二次試験対策 を優先して継続。苦手な人はここで 共通テスト基礎固め問題集 に着手し、土台を作る。
STEP29月〜11月|苦手な人は過去問へ
苦手な人は週1年分ペースで過去問・予想問題集に着手し「形式に慣れる」段階へ。得意な人はまだ二次対策を継続する。
STEP312月〜共通テスト直前|全員合流
得意な人もここから週1年分ペースで過去問・予想問題集に合流。共通テスト模試の直前はその対策に切り替え、「やり込む」段階として仕上げる。
STEP4共通テスト後〜二次試験まで
共通テストで鍛えた 情報整理力・速読力 を、二次試験の記述答案に還元する。共テで得た感覚を忘れないうちに二次演習へ橋渡しする。
公式LINE(ID:@mmjuku)にて入塾のご相談を承っています。
平均点データを踏まえた個別カリキュラムで、合計点の最大化を設計します。