2017〜2026年の前期日程(試験時間150分/記述式6題/200点満点)について、各問題を実際に解いて出題分野を確定し、1問=100点換算で按分集計した。
京大数学は「微積・空間・整数・確率・複素数平面」の5本柱で、この5分野だけで全体の約73%を占める。
京大数学最大の特徴は、他大学に多い「(1)(2)(3)の誘導小問」が無く、いきなり1つの問いだけが与えられる出題形式の問題が多い。誘導なしで解法の方針を自分で組み立てる構想力が、得点力に直結する。ただし大問1は独立した小問構成で、純粋な計算力(積分計算など)を問う基本問題であることもあり、基礎力と発想力の両方をバランスよく問う出題構成になっている。
とくに微分・積分は10年で 22.0%と頭一つ抜けており、毎年必ず複数問出題される絶対的な主力分野。次いで「空間図形・ベクトル」が 16.2%と京大の看板分野で、10年で出題が無かった年はゼロ。
京大の特徴である「確率漸化式」と「四面体・球面の空間ベクトル」の融合問題は、ほぼ毎年顔を出すため、過去問演習で型を身につけておきたい。なお平面ベクトルは10年で出題ゼロ、ベクトル対策は空間に絞ってよい。
※ 配点は1問100pt換算(10年×6題=6000pt満点)。融合問題は解法のメイン技術に応じて按分。確率漸化式は確率40/数列60で計上。空間ベクトル+立体幾何は「空間図形・ベクトル」に統合して計上。点ではなくpt表記としているのは入試本番の配点と区別するため。
| 分野 | 割合 | 合計 | 2026 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 |
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※ 色凡例:25%以上 20〜25% 15〜20% 10〜15% 5〜10% 数値は配点(1問=100pt換算)。
| 出題形式 | 大問6題・150分(25分/題)。誘導小問が比較的少なく、論証力と発想力を直接問う問題が多い。ただし大問1は独立した小問構成で、純粋な計算力(積分計算など)を問う基本問題であることもあり、基礎力と発想力の両方をバランスよく問う出題構成になっている。 |
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| 難易度 | 標準〜難。6題完答は不要、3完2半(130点前後)で合格圏。解ける問題を確実に拾う戦略が有効。 |
| 微分・積分 22.0% |
10年で最大シェア。回転体の体積、曲線の長さ、面積、増減と最大最小がほぼ毎年。2021年は3題分(250点)を占め、突出した出題年だった。 log・exp・三角関数を含む複雑な被積分関数の処理力が問われる。部分積分・置換積分を確実に。 |
|---|---|
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空間図形・ ベクトル 16.2% |
京大の看板分野。出題はほぼ全てが空間ベクトル+立体幾何で、四面体・正四面体・正八面体・球面が頻出舞台。 2017の正八面体、2018・2022・2025の四面体、2019の球面上の5点、2024のねじれの位置、2026の正四面体と球面など、10年で出題されなかった年は無し。 内積計算、ベクトル方程式、平面の方程式、垂線・重心・外心の処理を確実に。 |
| 整数 13.7% |
不定方程式、剰余類による分類(mod 3, mod 6 など)、素数性の証明が定番。 2018「n³−7n+9 が素数」、2022「n²+2, n⁴+2, n⁶+2 の最大公約数」、2026「二項展開+帰納法」など、シンプルな設定で深い論証を要求するスタイル。 |
| 確率 12.0% |
確率漸化式が約半数を占める京大の看板テーマ。状態遷移を漸化式で表し、特性方程式や等比数列化で解く。 2017・2018・2019・2025・2026 に確率漸化式または確率と数列の融合が出題。n回試行・極限・場合分けの典型処理を身につけたい。 |
| 複素数平面 9.5% | 軌跡(円・楕円・双曲線)、ド・モアブル、無限級数。2017「w+1/w の軌跡」、2019「常用対数との融合」、2020「z³+3az²+bz+1=0 の正三角形」、2021「Σ(½)ⁿ cos(nπ/6)」、2024「|x|≤2 と |y−(8+6i)|=3」など。 |
| 図形と方程式 9.3% | 2017の三角形の五心、2018の放物線の接点領域、2021の外心・垂心の軌跡、2025の双曲線軌跡(式と曲線)、2026の正方形を内包する正三角形の最小辺+グラフ領域図示など、「軌跡・領域・図示」が中心。2026は2大問で160点と突出。 |
| 数列 7.3% | 確率漸化式や整数との融合がメイン。単独出題は2020・2022・2024など。漸化式を立てて解く力は他分野でも必須。 |
| 三角関数 4.7% | 単独より図形・微積との融合で道具として使われる。加法定理・倍角・和積、正弦定理・余弦定理は瞬時に出せるように。2018に単独大問として100点出題。 |
| 対数・指数 4.5% | 常用対数の桁数評価(2019・2022・2024・2026)、数列の極限との融合(2024大問6)など、計算力+評価のテクニック。 |
| 式と証明 0.8% | 単独は稀。整式の除法(2023大問1⑵)など他分野の道具として登場。 |
| 平面ベクトル 0% | 10年で出題ゼロ。京大のベクトルは全て空間と割り切ってよい。 |
STEP17月〜8月|厳選150題で型を作る
『理系数学厳選150題』(KADOKAWA) の A・B問題 を2〜3周。とくに京大頻出の「確率漸化式」「空間ベクトル+立体幾何」の解法パターンをこの時期に体に入れておく。京大は(1)(2)の誘導が無い出題が中心のため、解答の小問部分を隠し、標準問題を(1)(2)なしで解けるようにするトレーニングをこの段階から意識する。
STEP28月〜10月|京大過去問で実践
過去問に入る前に、『世界一わかりやすい京大理系数学』(KADOKAWA) で京大特有の出題レベルに慣れておくと、過去問演習がスムーズになる。京大過去問のA・Bレベルを集中的に回す。京大は3完2半(130点前後)で合格圏のため、開始数分で「解ける問題」を見極める選球眼が合否を左右する。解けなかった単元は厳選150題に戻って補強する。
STEP310月〜12月|Cレベル+論証力の仕上げ
過去問のCレベルに着手しつつ、厳選150題のC問題を並行で進める。京大の整数・空間図形は「設定はシンプルだが論証が重い」問題が多く、記述力・部分点を拾う力を意識して仕上げる。
STEP41月〜直前期|過去問を遡って演習
共通テスト明けは、京大過去問を遡れるだけ遡って演習し、「3完2半」を安定させる。古い年度であっても、京大数学の出題思想(論証重視)は大きく変わらないため、演習効果は高い。
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