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INSTITUTE OF SCIENCE TOKYO — SCIENCE

東京科学大学(理工学系)数学
10ヵ年 分野別分析

2017〜2026年の前期日程(記述式5題)について、各問題の出題分野を100pt満点で按分集計し、東京科学大理工学系(旧東京工業大学)数学の出題傾向を可視化した。森本塾が全50問を実際に解いた上で分野を判定している。

東京科学大学理工学系数学10ヵ年分析 動画解説

まとめ

2024年に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して誕生した東京科学大学だが、理学院・工学院系の数学は 旧東工大の伝統 をそのまま受け継ぐ。最大勢力は「微積」で、微分・積分だけで全体の約32%を占める。体積・回転体・定積分の極限評価・媒介変数曲線が定番で、毎年複数問が出題される 最重要分野 である。

次に目を引くのが「複素数平面」の18.0%という突出した比率だ。これは難関大の中でも群を抜いて高く、東京科学大(旧東工大)最大の看板分野 と言ってよい。ド・モアブルの定理、複素数の図形への応用、軌跡、対称移動を扱う複素数列など、毎年のように高難度の出題が続く。とくに2020・2022・2024と図形への応用が周期的に出る。

第3グループは 「整数」12.0%・「場合の数・確率」10.2%・「空間図形・ベクトル」10.6%・「数列」8.4% と続く。整数は不定方程式・約数倍数・素因数分解の論証が中心で難問として出題されることが多い。場合の数・確率は確率漸化式(2018・2024・2025)が中心で、数列と一体で処理する力が問われる。180分5題という長丁場で 1題あたりの密度が極めて高い のも東京科学大数学の大きな特徴である。

※ 配点は1問100pt換算(10年×5題=5000pt満点)。融合問題は内容に応じて按分(0.5刻み)。例:確率漸化式は確率と数列で按分、複素数+双曲線(アポロニウスの円)は複素数平面と二次曲線で按分、空間図形+平面の分割の漸化式は空間図形・ベクトルと数列で按分。回転体・媒介変数表示の体積はすべて「微分・積分」に計上した。

分野別 出題傾向表

分野 割合 合計 20262025202420232022 20212020201920182017

※ 色凡例:25%以上 20〜25% 15〜20% 10〜15% 5〜10% 数値は配点(1問=100pt換算)。

特徴と対策

出題形式 大問5題・180分(36分/題)。1題あたりの時間が長く、その分 重厚で多段階の論証 を要求される。誘導が比較的丁寧な年もあるが、(1)が(2)以降の足場になる構成が多く、序盤の取りこぼしが致命傷になる。
難易度 標準〜難。計算量・論証量ともに重く、完答には高い処理体力が要る。3完+部分点で合格圏。微積と複素数を確実に得点し、整数・空間で部分点を積む戦略が王道。

分野別ポイント

微分・積分 31.6% 東京科学大数学の最大勢力。毎年1〜2題は必出。
回転体・共通部分の体積(2018・2021・2023)、媒介変数表示の曲線と回転体(2020・2024)、定積分の極限評価(2022・2023・2026)、関数の増減・極値(2019・2025)が頻出。とくに 体積計算と極限評価 は処理量が多く、計算を最後までやり切る体力が問われる。区分求積・はさみうちも頻出で、評価技術を磨いておきたい。
複素数平面 18.0% 東京科学大(旧東工大)最大の看板分野。難関大でも突出した出題頻度で、ほぼ毎年顔を出す。
複素数の図形への応用と軌跡(2019・2020・2022)、ド・モアブルの定理と解と係数(2024)、対称移動を表す写像と複素数列(2024)、2次方程式の解の領域図示(2018・2022)など多彩。|z|・偏角・回転の図形的意味を式と往復する訓練が必須。2022年は1年で3題が複素数絡みという年もあった。
整数 12.0% 約数・倍数・素因数分解(2017・2021・2022)、不定方程式(2018・2023)、剰余による分類・素数の論証(2020)が中心。
設問が 完全論証 を要求するものが多く、難問として登場することがほとんど。実験→規則発見→証明の流れを、答案として整える練習を重ねたい。
空間図形・
ベクトル
10.6%
空間ベクトルの内積・垂直条件・点の座標(2021・2025)、円に関する定理(2020)、四面体・球面・平面の方程式(2019・2023)など。
立体を 数式で処理する力 を問う出題が中心で、平面の分割数の漸化式(2019)のように整数・数列と融合することもある。
場合の数・確率 10.2% 確率漸化式(2018・2024・2025)、独立・反復試行(2023)が中心。漸化式に帰着する設定が多く、数列・複素数との融合で出題される。状態を整理して漸化式を立てる力が鍵。
場合の数は重複を許す文字列の数え上げ(2017)、9を含まない整数の個数(2021)、二項係数の等式と空間の点の個数(2026)など。数列・確率と密接に関連し、漸化式や級数へ発展する設定が多い。
数列 8.4% 漸化式の一般項と数列の極限(2017・2024)、フィボナッチ型・tan加法定理との融合(2025)、定積分漸化式の極限(2020)など。
確率漸化式・空間図形・三角関数との融合で登場することが多く、単独大問は少ない。漸化式を立てて一般項・極限へつなぐ処理を確実に。
三角関数・図形 3.4% 外心・相似などの平面図形(2026)、三角関数のグラフと最大最小・tan加法定理(2025)など。
単独より 図形・数列との融合 で道具として使われることが多い。加法定理・正弦/余弦定理は瞬時に運用できるように。
二次曲線 3.0% 楕円と直線・正方形(2021)、複素数と双曲線(アポロニウスの円, 2022)など。
数学Cの新課程化で 今後の出題増 が見込まれる分野。複素数平面との融合に注意。
式と証明 2.8% 無理数の最小多項式の一意性(2026)、四面体に関する不等式の証明(2019)など。
他分野の 論証の道具 として登場することが多い。背理法・有理数/無理数の扱いを確実に。

7月以降の合格ロードマップ

STEP1〜7月|厳選150題をC問題まで完成させる

『理系数学厳選150題』(KADOKAWA) を A・B・C問題すべて 仕上げる。他大学なら夏以降に回すCレベルを、東京科学大では7月までに終えるのが前提。答えを出すだけでなく、論証の筋道を紙に書く習慣をこの時期に徹底する。

STEP28月〜9月|過去問A・Bレベルで実践

過去問に早期着手し、A・Bレベルを集中的に回す。完答できる問題と手が出ない問題が混在する東京科学大では、開始5分で解ける問題を見極める選球眼が合否を直接左右する。解けなかった単元は厳選150題に戻って補強。複素数・微積は毎年必出のため、この段階で得点源として確立させる。

STEP310月〜12月|過去問Cレベル+上位問題集

過去問の Cレベル に着手しつつ、厳選150題を超える上位問題集を並行で進める。整数・空間図形は「設定はシンプルだが論証が重い」問題が多く、部分点を確実に拾う記述力が必要。複素数の高難度問題(図形への応用・写像・軌跡)は過去問で繰り返し当たること。

STEP41月〜直前期|20年分を使い尽くす

東京科学大(旧東工大)は約20年分の過去問を徹底的に使い切る。共通テスト明けは古い年度の再演習に充て、「3完+部分点で合格圏」を安定させる。

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